私は彼らのことが大好きで、それは何故かというと、人生で初めてまともに自分と話しをしてくれた人たちだからだ。
我々は当時ある価値観を共有することができて、それは言って見れば、きわめて文学部的なものであった。そして、そういった文学部的な価値観は、卒業後は実社会の中で削り取られ続けているが、自分の中ではまだかろうじて細々と燃えている。
昨日別れ際に、友人の一人が言っていたことが非常に印象的だった。
曰く、「自分はあの当時、これからは文化と芸術の時代になると信じて文学部に入ったが、バブルの終わりとともに、文化的なものはすべて消え失せた。完全に誤算だった。いま大学で教えていると、文学部が社会全体の中でいかにマイナーな存在か痛感させられる。自分は過去の遺物を扱っているんだ。」
世の中は非常に貧しくなり、プラグマティックになった。文化それ自体に社会的な価値があると思う人間の割合は、非常に少なくなったと思う。
そんな中で自分は、もともとマイノリティーではあったが、ますます少数派になってしまった。
私はさきの友人のように、何か勝算があって文学部を選んだわけではなく、ただそこが他より魅力的に見えたから選んだだけだ。
当時でさえ、親や知り合いから「文学部なんかに行ってどうするんだ」と言われたが、いまはあのときより遥かに厳しいと思うから、いまの若い人たちは潰しの利かない選択をする余裕はまったくないかもしれない。
昨日の飲み会に出席した私以外の人たちは、時代も良かったが、優秀だったので社会でそれなりの地位を築いている。私は彼らに混ざって、あのときの空気を思い出すことができるだけでも幸福だと思っている。
明日は岡山でライブ。スタジオに入って最後の調整をしました。近郊の方はぜひ!イベントは夜10時から、私は0時頃に演奏する予定です。内容的にはテックハウス中心のようです。私も今回は珍しく(?)四つ打ち中心でいきます。