日本酒を世界に輸出・紹介しているオランダ人、ディック・ステゲウェルンス氏の私邸で行われた、「ディック氏一時帰国の会」というのに行ってきました。
ディック氏の家は、京都の中心部から車で北の方に1時間半ほど行った、京北地方の山の中で、桂川の上流にほど近い、風光明媚な場所にありました。
「こんな綺麗なところに住んでてうらやましいね」
と私が言うと、ディック氏は
「これはどこにでもある、ふつうの日本の田舎の暮らしだよ」
と言いました。
当日は、ディック氏の古い友人であるキーボーディスト・鈴木潤氏のソロライブ、鈴木潤・片岡祐介氏の2人ユニット「カネタタキ」、また音頭バンド「サンポーヨシ」による盆踊り、ジャズピアニスト・芦津直人氏によるソロライブなどがありました。
中でも今回、個人的に出色だと思ったのは、キーボードと木琴・鉄琴による極小音のユニット、「カネタタキ」のライブでした。
(小津安二郎の映画っぽい)
京北・黒田村の自然の山々を背景に、縁台で行われた演奏でしたが、借景と虫の声などの環境音が相まって、非常に素晴らしい雰囲気でした。
私はカネタタキの演奏を今まで何度か見てきていますが、今回は特に良かったと思います。
今までのライブは何となく、少し観念的というか、楽譜的というか、ちょっとデジタルな雰囲気が残っていて、「気楽に楽しむ」というよりも、ちょっとアタマで理解しなくてはならないようなところがあったと思いますが、今回の演奏は、もっとずっと有機的で、音楽的な豊かさがあり、すーっと耳に入ってきました。
動画アリ↓
夜中には私も調子に乗って、片岡・鈴木両氏とアンビエントやテクノ的な演奏とかやりました。
そして、ついでにというか、個人的な「実験」というほどでもないのですが、皆さんが家から出払っていた時間帯に、いつも自宅やその近辺でやっている自分の「パソコンでの即興演奏」の録音を、自然あふれるこの環境でやったらどうなるのか、試してみました。
虫の声とか、自然の環境音を聞きながら演奏するのですが、マイクを持っていってなかったので、あくまでも録れているのはパソコン内部の音をラインで録ったものだけです。
それで、都会(というか自分の家)に戻ってきて、録音されたものを聴きなおしてみてどう感じるのか?
結果から言うと、非常に意外だったのですが、演奏のダイナミクス(音量的な変化)がものすごくあって、家で聴くためには、ボリュームカーブをかなり書き直さないと、落ち着いて聴けない感じになっていました。
録音は自然の環境音が入ってないので、これを含めて録っていたら、また随分違った感じになったのではないかと思われます。
しかし、逆に考えると、この録れなかった自然の環境音が、実はものすごくダイナミクスに満ちていたので、自分の演奏もそれに合わせてダイナミクスを変えていたのではないか?ということになります。
自分の家がそんなに静かだとは思いませんが、いわゆる環境音的な成分がすべて、エアコンの室外機の音だったり、換気扇の音だったりと、比較的音量変化が少ない持続音なのだ、ということに思い当たりました。
そういうわけで、田舎の人がときどき言う「田舎はうるさい」という意味が少し分かったような気がします。
つまり、自然の多い地域は動物や鳥・虫など、環境音のダイナミクスが意外と大きく、変化に富んでいる、ということです。
そう考えると、自分が音楽を作るときには、やはり都会か郊外のベッドルーム的な、比較的静かで音の変化の少ない場所で聴くことを、無意識に想定しているんだな、というふうに感じました。
ベッドルームで聴こう。kaetsu takahashiの超短編集。
ディック氏の家は、京都の中心部から車で北の方に1時間半ほど行った、京北地方の山の中で、桂川の上流にほど近い、風光明媚な場所にありました。
「こんな綺麗なところに住んでてうらやましいね」
と私が言うと、ディック氏は
「これはどこにでもある、ふつうの日本の田舎の暮らしだよ」
と言いました。
当日は、ディック氏の古い友人であるキーボーディスト・鈴木潤氏のソロライブ、鈴木潤・片岡祐介氏の2人ユニット「カネタタキ」、また音頭バンド「サンポーヨシ」による盆踊り、ジャズピアニスト・芦津直人氏によるソロライブなどがありました。
中でも今回、個人的に出色だと思ったのは、キーボードと木琴・鉄琴による極小音のユニット、「カネタタキ」のライブでした。
(小津安二郎の映画っぽい)
京北・黒田村の自然の山々を背景に、縁台で行われた演奏でしたが、借景と虫の声などの環境音が相まって、非常に素晴らしい雰囲気でした。
私はカネタタキの演奏を今まで何度か見てきていますが、今回は特に良かったと思います。
今までのライブは何となく、少し観念的というか、楽譜的というか、ちょっとデジタルな雰囲気が残っていて、「気楽に楽しむ」というよりも、ちょっとアタマで理解しなくてはならないようなところがあったと思いますが、今回の演奏は、もっとずっと有機的で、音楽的な豊かさがあり、すーっと耳に入ってきました。
動画アリ↓
夜中には私も調子に乗って、片岡・鈴木両氏とアンビエントやテクノ的な演奏とかやりました。
そして、ついでにというか、個人的な「実験」というほどでもないのですが、皆さんが家から出払っていた時間帯に、いつも自宅やその近辺でやっている自分の「パソコンでの即興演奏」の録音を、自然あふれるこの環境でやったらどうなるのか、試してみました。
虫の声とか、自然の環境音を聞きながら演奏するのですが、マイクを持っていってなかったので、あくまでも録れているのはパソコン内部の音をラインで録ったものだけです。
それで、都会(というか自分の家)に戻ってきて、録音されたものを聴きなおしてみてどう感じるのか?
結果から言うと、非常に意外だったのですが、演奏のダイナミクス(音量的な変化)がものすごくあって、家で聴くためには、ボリュームカーブをかなり書き直さないと、落ち着いて聴けない感じになっていました。
録音は自然の環境音が入ってないので、これを含めて録っていたら、また随分違った感じになったのではないかと思われます。
しかし、逆に考えると、この録れなかった自然の環境音が、実はものすごくダイナミクスに満ちていたので、自分の演奏もそれに合わせてダイナミクスを変えていたのではないか?ということになります。
自分の家がそんなに静かだとは思いませんが、いわゆる環境音的な成分がすべて、エアコンの室外機の音だったり、換気扇の音だったりと、比較的音量変化が少ない持続音なのだ、ということに思い当たりました。
そういうわけで、田舎の人がときどき言う「田舎はうるさい」という意味が少し分かったような気がします。
つまり、自然の多い地域は動物や鳥・虫など、環境音のダイナミクスが意外と大きく、変化に富んでいる、ということです。
そう考えると、自分が音楽を作るときには、やはり都会か郊外のベッドルーム的な、比較的静かで音の変化の少ない場所で聴くことを、無意識に想定しているんだな、というふうに感じました。
ベッドルームで聴こう。kaetsu takahashiの超短編集。