Easy + Nice レーベルのblog

アンビエント・ダブテクノなどを作る電子音楽家・Wakiによるブログ。 元々は運営している音楽レーベル「Easy + Nice」の情報発信のために立ち上げたものだが、最近は音楽制作全般や日記的なもの、哲学的なものが中心になってきている。

2020年04月

「部活アンビエンツ?」という、アンビエント音楽のフリーセッションのイベントを一年ぐらいやっていた。

誰でも好きな時間に遊びにこれて、自由に音出しできる、サロンのような、原っぱのような場所を、と思って月一か二か月にいっぺんぐらいで続けてきた。

おかげさまで毎回盛況で、モジュラーやシンセ、ギターや管楽器、打楽器など、さまざまな演奏者が集まって楽しくやってました。


前回最後にやったのは3月15日で、このときすでにコロナが問題化しはじめてはいたものの、とりあえずアルコールなどを用意したりして、何とかやりきった。

その後急速に自分の中で考えが変わってきて、3月27日に予定していた別のイベントを中止。


たぶんロックダウンしているイタリアの友人から情報が入っていたのが大きかったと思う。

「ワキ!この状況をもっと真剣に受け取ってくれ。頼むから家にいてくれ!」

と普段おちゃらけてばかりいる彼が何度も言うので、これはもしかして大変なことなのかもしれない、と思った。


それでもこのときは、まだ葛藤がありつつの決断だった。


その後日本でもだんだん自粛ムードが高まってきて、今となってはイベントをやるのは殆ど不可能になっている。


4月5日、部員の「高橋ジョルジュ」さんから、「部活アンビエンツ?」的な、人が集まったり交流する場所を、また作りたい。WEB上で何とかやれないだろうか、という話を持ちかけられた。

とりあえず反射的にYouTubeのチャンネルを作ってみたものの、それ以上どうしていいか分からず、しばらく何の進展もなし。


4月10日、同じく部員の「木村センセイ」から、ヤマハが開発しているオンラインセッション用のアプリ(Netduetto)の存在を教えてもらった。

しかし、このときはアプリの趣旨をよく理解できていなかっため、調べるに至らなかった。

共有できるのが「音声のみ」というところがちょっと引っかかっていたのかもしれない。


4月17日に、ふたたびDTMステーションでこのNetduettoが紹介されたとき、一度試してみようと思って、実際にインストールして、突発的にこれを使って自分のYoutubeチャンネルでライブ配信した。

急な配信なのに、音楽家の片岡祐介さんが参加してくれて、2人で演奏。



実際に演奏してみたところ、殆ど音ズレもなくてストレスを感じなかった。

さすがヤマハさんや~~

その後、Masashi Ximitoさんとも試験的に演奏。これもいい感じだった。


これは楽しいかも…。


これはもしかすると「部活アンビエンツ?」向きかも…(今更)。

いや~、最初から木村センセイの言う通りにしておけば良かった?

ただ、相手が見えないので、音だけを頼りに演奏することになる(私はもともと音だけを聞いて合わせていく方なので、あんまり問題ないんだけど)。

映像の共有も一緒にやろうと思うと、別にSkypeなどのソフトを併用して立ち上げなければならず、そこまでやると自分のパソコンは多分、能力的にいっぱいいっぱいになると思う。

実際、配信用のソフトとNetduettoとインターネットブラウザだけでけっこうぎりぎりな感じだったし。


というわけでまあ顔は見えないけど、音の交流ということで…。


早速ですが、「オンライン部活アンビエンツ?」第一回目をこれを使ってやってみたいと思います。

この実験に参加していただける方は、ぜひNetduettoをパソコンにインストールして、

4月23日(木)の夜7時から11時くらいまでの間

にログインしてください。

ルームの名前は「Bukatsu」、パスワードは「ambi」(仮)です。

もしかしたら生配信もするかも…。

インストールのやり方とか、使い方、動作条件(オーディオインターフェイスが必要)については、DTMステーションの記事などを読んで準備しておいてください。

急な告知になっちゃってすみませんが、またすぐにやると思うので、間に合わなかった人は次回にでもぜひ。

パソコンがない、インターフェイスがない、という方はなるべくYouTubeで配信するようにしますので、聴くだけでもどうぞ。

何か変更があったらまたここで告知します。

※ちなみに、このサービスがフリーで使えるのは6月ぐらいまでだそうです。そっから先はたぶん課金…。サブスクなのか、買い切りなのか。多分サブスクだろうな…。
netduetto


身の回りでいろいろ起こってはいるんだけど、状況の変化が目まぐるしすぎて、記事を書きかけては消し、を繰り返しているうちにまた次の状況が生じてきてしまって、遅筆の私はなかなか「現在」という瞬間に追いつけないでいる。

例の星野源さんの動画の一件があって、イベント中止や仕事の激減で苦しさを増している音楽やアート関係者の窮状に対応するわけでもないのに、権力者が相乗りして利用する、というグロテスクな構図を見せつけられたわけだが、同時に官邸へ直接メッセージを送り続けている多くの国民の声が届きはじめているのか、鈍い動きながらもゆっくりと政府の対応が変わってきているような、かすかな希望が感じられたりもする。

ツイッターなどで飛び交う呪詛や罵詈雑言に耐えられない、と言う人は多いけれど、フェイクニュースやあらゆる情報操作の網をかいくぐって届いてくる、わずかな真実もあるのではないかと思って、私などはやはり注視している。

まあ、どんな意見であれ、人の意見を聞くのは(好みの差はあるけど)そんなにいやではない。


あと、これは何故かわからないんだけど、一日が長く感じられる。


今月の21日に、自分も参加しているテクノのコンピが、あるレーベルから出るんだけど、ほんの一か月くらい前には4月21日なんて「もうすぐもうすぐ」と思っていた。

しかし今の時間感覚だと、6日後の「4月21日」というのは随分遠い。


一日一日が長い。次に何が起こるか分からない。


しかし、不思議なことだが、同時に何も起こっていないような感じもある。

DSC_2807

仕事をほとんど失い、家に籠っているせいか、時間感覚がどうしてもあいまいになってくる。


外に出るのは役所に支援の申請に行ったり、天気がいいときに川でぼんやりしたり動画を撮ったり。

あとは買い物のときぐらいなので、殆どの時間はせまい家の中で過ごしている。


どうしても電車に乗らなくてはならないときがあって、そういうときはやはり緊張する。


こんなときに、自分も何かみんなを元気づけられるようなことが出来たらいいんだけど。

今までやってきた以外のことはすぐには出来るようにならないので、結局いつも通りのことしかしていない。

無力感を感じたりもするけど、最善を尽くすしかない。


「最善」だって?


何が「最善」なのかも分からないのに、「最善を尽くす」とは一体…。


訂正します。


結局のところ、そんときそんときの直感に従って行動しているだけです。




※最近YouTubeの動画作成にハマっているので、見たりチャンネル登録したりしてもらえると喜びます。

※レーベルの音源、ここで聴けます。サブスクなどでも聴けますよ。

sakura

ほんの二週間ぐらい前、自分がイベント中止を決定した頃には、まだ「神経質すぎる」なんて声もあった。

けど、その後どんどん情勢が変わっていき、いまでは殆どのライブイベントが中止の方向に傾いてきている。

自分としては、こうした状況の中でイベントをやるかやらないかは、それぞれの判断なので、どうすべきだとか正義のようなものを語るつもりはない。

ただ自分はあのとき、「ビビった」から中止をしたいと思っただけ。

今でも、どういう判断が正しいのか、よく分からないままでいる。


ライブハウスやクラブのようなお店は、固定費もかかるし、一番大変だと思う。

お店によっては寄付を募ったり、飲食の配達をしたりとか、いろんな方法で経営の存続を模索しているようだ。


自分の周りのライブミュージシャンは、オンラインの方に軸足を移している人が多い。

ライブ放送などでわりとうまくやっている人もいるし、まだ模索中の人もたくさんいる。


私も最近は暇で、自宅に籠っていることが多いので、インターネット上で、思いついたことを思いつくままにやっている。

そんななか、YouTubeは特に反応がダイレクトな感じがして、けっこうおもしろいのである。

Easy + NiceのYouTubeチャンネルは、今まで無計画に「演奏の様子」や「機材紹介」、「インタビュー」や「トーク」などをランダムに上げてきたので、だいぶ統一感がなく、素人くさかった(今でもじゅうぶん素人くさいけど)。

しかも割と長い間ほったらかしにしていたり、更新の間があいたりしがちなので、全然登録者数も増えていない。

だが最近暇になったのをいいことに、再び動画に精を出すようになった。

そうすると少しずつ登録者も増えてくる。

多分自宅にいる人が増えて、YouTubeを見ている人が多いのだろう。


これは最近上げたものでわりとウケたやつ↓



ちなみにYouTubeチャンネルは登録者数が少ないと、直接収益化が出来ません。

この弱小チャンネルを応援したい!と思ってくれた奇特な方は、音源の購入や、寄付などをしていただけると、私の生存の糧になりますのでよろしくお願いします。

チャンネル登録ももちろん大歓迎です。


世界がこの先どうなっていくのか、全く見当もつかない。

大変っちゃ大変だけど、出来る限り楽しく、日々を生きていきたいと思う。


コロナ禍の影響でわりと部屋に籠っているんだけど、かと言って気分が落ち着かなくて、全然楽器に触る気分にもなれず、過去の作品をちくちくと整理したりしていた。

それが2日前くらいに何となく気分の底を打った感じがして(個人的に)、ようやくシンセを取り出して演奏してみた。



自分としてはけっこういい演奏になったと思う。

Mixcloudというメディアは、本来DJ達がDJ Mixをアップするためのものなのだが、別に自作品を上げても何の問題はないので、勝手に自分のシンセの即興や、自作品のMixや、レーベルの宣伝用のMixや、通常のDJ Mixなどを、そんときそんときで適当にアップしている。

Mixcloudの良いところは、①「長い時間の録音をアップできる」ところと、②フリープランでも数を「無制限にアップしていくことができる」ところ(いまのところ)。

もともと自分は作品時間が長い傾向にあるんで、これをまるごととりあえずネットに上げておくことが出来るのは助かる。しばらく置いといて、もしも「やっぱりこれはいい録音だ」という判断が起これば、有料のBandcampページに移してもいい。


そういえばMixcloudといえば、先日中止した「Self-Dance」に出る予定だったDJのひとり、jee-pee-bee が当日のために用意してくれていたレコードで架空のDJプレイをMixcloudに上げてくれたので、シェアしておきます。

どうもありがとうございます。



中身はジャズ~ファンクを中心とした楽しいミックスです。

いや~、イベントやりたかったなあ…。

彼とはよく「ほんとレコード」などで遭遇するんだけど、彼が楽しそうにレコードをかけてチェックしている姿がこれを聞いていると浮かんでくるよ。

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