Easy + Nice レーベルのblog

アンビエント・ダブテクノなどを作る電子音楽家・Wakiによるブログ。 元々は運営している音楽レーベル「Easy + Nice」の情報発信のために立ち上げたものだが、最近は音楽制作全般や日記的なもの、哲学的なものが中心になってきている。

カテゴリ: ライブ

hall

城陽市にある音楽ホールで片岡祐介氏がファシリテイター役をするオーケストラのコンサートに行ってきた。


ファシリテイターというと横文字で何だかよく分かりにくいが、簡単に言うと司会みたいなものだろうか。


あと片岡氏はこのコンサートのコンセプト全体をプロデュースする立場にもあったと思う。


この企画の大きな特徴は客参加型であることで、一緒に手拍子をしたり、ステージに登ったり、オーケストラの指揮をやらせてもらったりと、ただ聴くだけではなくて、もっと身近に主体的にオーケストラを感じることができる工夫が随所になされている。


片岡氏についてはこのブログでも何度か取り上げていると思うが、こういう参加型のコミュニティミュージックに長年携わっている音楽家であり(彼の活動は多岐に渡っていてそれだけではないが)、「演奏家と観客」というややもすれば固定化しがちな関係をドラスティックに変えていこうとチャレンジし続けている専門家だといえる。


ホールの側としては、どうすればこのような「ちょっと敷居が高い」と思われがちな施設を、市民に身近に感じてもらえるか、というテーマで企画を立ち上げたようなところがあると思われる。


しかし蓋を開けてみたら、実際には定員(300人)を大幅に超える応募があり、ホール側も慌てて収容人数を増やしたわけだから、こういう企画には滅茶苦茶需要があることが判明したわけだ。


なぜこんなにも人気が出たのか、という理由についてはいろいろな推測が出来ると思うが、おそらくは子連れの親御さんが気兼ねなく音楽を聴きに行ける場所がなかなかないということだろうと思われる。

特にオーケストラのようなクラシックの音楽というと、咳一つしても周りに睨まれるようなイメージがある。

お子さんたちが自由に声を出したり、走り回ったりできるようなクラシックのコンサートというのは、ある一つの理想的な形だと思う。

片岡氏の愉快なキャラクターも相まって、会場は終始リラックスした雰囲気に包まれて子供たちも楽しそうだった。


私がこれを見て個人的に何を連想したかというと、自分が子供の頃テレビで毎週見ていたドリフの「全員集合」であった。

片岡氏が全国の市民ホールを回って、地元の交響楽団とこういった参加型のイベントをやって毎回テレビ中継(無理なら収録)したらいいんじゃないだろうか。


黒で盛装した楽団の団員たちの中に、一人だけ黄色いパーカーを着た片岡氏が現れ、客席に向かって「おいっす!」と声をかけると、子供たちがきゃーっと反応する様子が目に浮かぶようである。

昨日UrBANGUILDにニイユミコさんというアフロダンスのダンサーさんと一緒に出させてもらった。

UrBANGUILDは京都では有名なお店だが、たまたま今までご縁がなかった。


「FOuR DANCERS」という、毎回4組の出演者が出るコンテンポラリーダンスのイベントで、もう12年にわたって続いているという。

今回のFOuR DANCERSが256回目とのことだから、何と月に2回ぐらいのペースでずっと続いていることになる。

ryotaroさんという方がブッキングから音響・照明まで一人でやっているそうだ。

さすがに練度が凄まじいなと思った。

私はミュージシャンなので、リハーサルの時に主に音響のやりとりをさせていただいたのだが、打合せに無駄がなく作業がスピーディーで、かつ全然急いでいるというふうでもない。

こちらの意図が労せずさっと伝わって、本当にスムーズだった。


この会場で一番驚いたのは、「中音(ステージ側)と外音(客席側)が殆どシームレスな感じに聞こえる」ということで、音を出しっぱなしにしながらステージと客席を行き来すると、境目のようなものを殆ど感じない。


これって本当にすごいことなんですよ!!(力説)


リハのときは中音より外音が少しだけ高音強めに聞こえたので、ちょっとモニター側のハイを上げてもらったが、そのあとはもう完全に外と中が同じ感じに。

もう音量感さえもが同じ感じなのだ。
(実際には中と外で使っているスピーカのサイズが違うのでパワーは違うはずなのだが)

こうなると、やっている側としては「自分の聴いている音=お客さんの聴いている音」という前提で安心して演奏出来るので、本当にいい!


もちろんこれはUrBANGUILDのあのサイズだから出来るというのもあるだろうけど、それにしてもこういうふうになってないところが殆どだと思う。

というか今まであまり経験したことがない。
(外と中が分けられていない、もっと小さなお店を除いて)


あとこれはダンスイベントだからというのもあるけど、通常のライブハウスやクラブほど音量の基準にあまりレギュレーションのようなものがないというのも自分にとってはやりやすかった。

最も小さな音から最も大きな音までダイナミクスを自由に使って演奏できる。

こういう音響のセッティングは自分にとってはある意味理想的な状態だなと思った。


そんなこともあってか、今回自分としてはかなり満足のいく演奏が出来たと思う。

来てくれた友人たちも喜んでくれたみたいで良かった。


たまたま他の出演者の方がビデオを撮っていてくれたようなので、あとで見返してみてどんなふうだったのか確認したい。

客席からニイさんのダンスも含めどんなふうに見えていたのか?

live

※今回の自分のセットはアナログのモノシンセ(BassstationII)にディレイをかけるだけという非常にシンプルなもの。パソコン置いてますが、これはディレイをかけてるだけです。こういう即興のときはなるべくシンプルなセットがダイレクトに出来ていい。ギター一本みたいな感覚で。

元々こんなに内向的なタイプじゃなかったんだけど、思春期にいろいろあって人間づきあいが下手になってしまった。

私は最初クラシックの指揮者や作曲家みたいな存在になれたらいいなと思っていたのだが、演奏してもらうために演奏者を集めたりとか、膨大な人間づきあいが発生しそうで、面倒くさくて電子音楽に行った部分もある。

まあもちろん電子音楽自体が魅力的だったというのもあるけど。

コンピュータや電子楽器を使えば、一人でも音楽を作れるというのは素晴らしいことだ。

しかしやはり人と関わることで生まれるクリエイティビティというものもある。音楽を通じてどうやって他と関わっていくかということが、私にとっては常にある種の課題になっている。


即興(ジャム)というのは最も自然でシンプルな、音楽における他との関わりのやり方のひとつだろう。

即興する相手にもよるが、基本的には何のルールもないし、極端に言えば演奏してもしなくてもよい。私のような、決まりごとの苦手な人間でも参加することができる。


はっきり言うと、支配したりされたりする状況が嫌いなんだと思う。


喜んでやってくれてるならいいけど、自分のアイディアを実現するために他人を使っていると感じてしまうのは辛いし、自分が他人のアイディアの一部になってしまっていると感じるとむなしい。


そうした中でどのように人と関わることが可能なのかを探っている。


flyer_20231026
即興で他と関わる模索のひとつ。↑

10/26にUrBANGUILDでFour Dancersというイベントに出ます。私はニイユミコさんというダンサーさんとユニットで、即興の音楽と踊りをやります。

nii

ニイさんはセネガルの音楽を中心に踊っている、野性味のあるダンサーさんです。

私はUrBANGUILDに出るのも初めてなので、それも楽しみ。UrBANGUILDのサイト写真を見た感じでは、場所の雰囲気がすごいですね。京都のダンスシーンをずっと支えてきた歴史のようなものを感じます。

来られる方は連絡していただけると前売り扱いになります。
また、ダンサー割引というものがあるらしいので、ダンサーの方はぜひ申告してくださいね。

我々の出番は最後らしいですが、他のダンサーさんも面白そう。最近私ダンスあんまり見てなかったので、実は楽しみにしてます。

他のダンサーさんは、ざっくり言うとコンテンポラリー~舞踏って感じだと思います。

我々もまあ、大体その範囲におさまるのかな?

イベント詳細

「ブルガリア民謡+江州音頭」の「すずめのティアーズ」さんが京都にやって来たので、昨日ライブを見に行った。

以前から一度見てみたかったやつ。


やっぱり素晴らしかった。アレンジがまずいい。

シンプルだけど効果的なギターフレーズに、2声のヴォーカルが対位法的に絡んで、笛が彩りを加える。

日本の民謡やブルガリアの民謡を掘り起こして、絶妙なバランスで現代的に再構築している。

コダーイとかがやっていた仕事を思い出した。


ライブとしての完成度も高い。

演奏技術もそうだし、ショーとしての緩急のつけ方とか、バランスのとり方とか。

あがささんにはスターの貫禄を感じた。


嫌味になりすぎない程度のエモさがあって、万人に受けると思う。



私は久しぶりに人の多いところに出かけたもので、ちょっとハイになってしまった。すっかりコミュニケーションの取り方を忘れてしまっている…。

かぜのね(お店)に行ったのも久しぶりだった。半年ぶり?一年ぶり?

うちから5kmくらいのところなんだが、めちゃめちゃ遠く感じる。


suzume
すずめのティアーズさん。ピンボケですみません。新しい携帯のカメラが性能悪くてものすごく手ブレに弱い。


wadako
対バンのわだこさん。低い声(カルグラー)が気持ちよかった。

久しぶりにライブやります。

ダンサーのKERUKOさんと京都のSocial Kitchenというところでコラボレーションです。




テーマは「微音」。


春の訪れを予感させる微かな電子音とKERUKOさんの動き。


自分で言うのもなんですけどすごくいい時間になると思います。


繊細だけど気楽でもあるというような…。


このリラックスした微細な空間と時間を最適な状態で共有したいので、少人数限定でやります。


このレアな機会を体験してみたいという方はご予約をお勧めします。



KERUKO+Waki⁡
ambient dancescape LIVE⁡
『はるのひかり』⁡
2023年3月5日(日) 16時-⁡
会場:Social Kitchen ⁡
景色の中の微かなおどりとアンビエントの時間。⁡
電子音楽家Wakiと日々のおどり子KERUKOによる微音ライブとおどりのイベント。⁡
ふたりは2022年9月『ambient dancescape 』と題し動画と音楽で文通のようなやりとりを実験的にはじめました。⁡
今回の企画はその延長線上として、映像と音のコラボレーションの時間も取り入れながら『ambient dancescape LIVE 』をお届けします。音楽とおどりの時間をどうぞお楽しみ下さい。⁡
Waki(電子音楽家)⁡
15歳くらいから40年程、電子楽器を触りつづけている。アンビエント、ミニマル、ドローン、ダブテクノ等を中心に音楽活動をおこなう。Easy + Nice レーベル主催。⁡
KERUKO(ケる子)⁡
四季折々、日々の踊りを拾う踊り子、踊り屋。⁡
2023年3月5日(日)16時START⁡
場所:Social Kitchen 
京都市上京区相国寺門前町699⁡
(鞍馬口駅から徒歩約5分)⁡
料金:○予約 2000円 ○当日2500円⁡
(+1Fカフェでワンオーダーお願いします。)⁡
1FカフェKitchen hanareのOPEN時間は11:30-16:00です。16時より少しお早めに、カフェでゆっくりとおくつろぎ下さい。 ⁡
ご予約:⁡
8keruko8@gmail.comまでメール、またはKERUKO or Waki にメッセージをおねがしいます。
□協力:Social Kitchen

FBイベントページはこちら

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Social Kitchenさんの場所がとにかくいいんですよね。


長居したくなるような感じです。

ぜひ早めにいらして、1階のカフェでゆっくりしてからイベントに参加されることをおすすめいたします。




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